「よりそい顔」

笑っているようにも、悲しそうにも、キリッとしているようにも見える深みのある表情。見る人によって、またその時の気持ちによって、見え方が変わってくるから不思議です。これも無形文化財、石川潤平の工房だからこそ。いい時もつまづいた時もそっと優しく気持ちによりそい、お子さまの成長をずっと見守ります。

デッサンから作られるお人形

はやしやのお人形はまずデッサンを描くことから始まります。表現したいフォルムに合わせて全てのパーツも作りこみます。お人形の中には顔と体のバランスが悪かったり、手と体が合ってなかったりするものもありますが、はやしやのお人形は全てのパーツをその人形のためだけに作っています。

バリエーション豊富な衣装

ストーリーのある衣装「総手描き彩色」

はやしやのお人形はまずデッサンを描くことから始まります。表現したいフォルムに合わせて全てのパーツも作りこみます。お人形の中には顔と体のバランスが悪かったり、手と体が合ってなかったりするものもありますが、はやしやのお人形は全てのパーツをその人形のためだけに作っています。

古典的で華やかな織柄と友禅染

平安時代から伝わる伝統的な「有職文様」は貴族しか着ることのできなかった、格式の高い着物です。オーガンジーやシフォンを使った春らしい衣装もご用意しています。

手の形、お顔の筆書き

おひな様とお内裏様の細かな違い、わかりますか?身分の高い男性は左手を隠していたことも再現し、おひな様とは手の形が違っています。また生え際も、女性は富士額が美しく見えるように、男性はキリッとした精悍さを表現するようにと筆の入れ方も変えています。既製品で使い回しをせず、一つ一つ丁寧な仕事にこだわります。

  • *男女での手の表現の違い

  • *男女での筆の入れ方の違い

衣裳着のおひな様のこだわり

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1.顔:
職人の技の差が出る部分です。はやしやの人形は、目尻や口は手彫りで深みのある表情に仕上げ自然な肌の質感を出すために胡粉(貝殻から作られる白い顔料)を薄く何度もハケで上塗りしています。

2.筆仕事:
髪の毛の生え際、眉毛、まつ毛など繊細な筆書きをご覧ください。殿と姫の生え際の書き方にも違いがあります。殿は凛々しく精悍に、姫は富士額が美しく見えるよう描き分けられています。

3.式正冠:
よく見られるような、紐で頭に取り付ける冠ではありません。江戸時代以前の公家や武士がしていたように、笄(こうがい)というカンザシを実際にマゲに刺して冠を固定しています。紐がないため、お顔や胸元がすっきりと見えます。美しさを追求する林家の人形ならではです。

4.手:
指先の表情にご注目ください。細い棒のような手ではなく身体や顔との釣り合いのとれた大きさ、女性らしいしなやかさや爪まで表現した工房オリジナルの手です。身体の高い人は手を見せないように、殿の左手は袖を掴むように結んでいます。男女それぞれの個性が、手にまで表現されています。

5.フォルム:
正三角形に収まる美しいフォルムになるように、あらかじめデッサンされた上で一体ずつ製作されています。人の骨格を再現した肩幅や腕の位置、姿勢の美しさなど品格が感じられます。

木目込のおひな様のこだわり

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1.デッサン
木目込みは作者が想いを込めてイメージした形を人形にしているので様々な形のものがあり、選ぶ楽しさがあります。そのデフォルメした形でも、お顔と身体や手などすべてが調和するように、人の骨格を取り入れてデッサンを繰り返し全体造形を作り上げているのです。石川潤平工房の紡ぐ無形文化財ならではの作品です。

筆仕事
筆使いの技は表情に表れます。繊細な墨の濃淡によって生まれる奥行きや、やわらかさ。はやしやの「よりそい顔」には熟練の職人だけがなしうる、高い技法が使われています。

2.目:笹目
薄墨で片目50回以上の筆を入れ、墨の濃淡で瞳を浮き上がらせる技法。見る角度によって様々な表情に見えます。

3.目:枠目
瞳や輪郭をはっきりと描く技法で、かわいらしさなどを強調したお顔に仕上がります。

4.髪の生え際:男雛書きと女雛書き
男雛は長い線と短い線を交互に書くことで、強さと優しさを表現します。女雛は女性の美しい生え際である富士額(ふじびたい)の形に仕上げます。

5.紅:唇
外側の薄い紅を均等に残し中心を濃い紅で書き分け、唇の膨らみと奥行きを表現しています。

大正12年創業 人形工房はやしや