よりそい顔

笑っているようにも、悲しそうにも、キリッとしているようにも見える深みのある表情。見る人によって、またその時の気持ちによって、見え方が変わってくるから不思議です。これも無形文化財、石川潤平の工房だからこそ、いい時もつまづいた時もそっとやさしく気持ちによりそい、お子さまの成長をずっと見守ってくれます。

デッサンから作られるお人形

はやしやのお人形はまずデッサンを描くことから始まります。表現したいフォルムに合わせて全てのパーツを作りこみます。お人形の中には顔と身体のバランスが悪かったり、手と身体が合ってなかったりするものがありますが、林家の人形は全てのパーツをその人形のためだけに作っています。

願いを込めた「威(おどし)」

鎧兜の板と板とを糸で結んでつないだのが、威です。威の糸の色には、それぞれ意味があります。紫裾濃は菖蒲の色であることから「尚武」に通じるとされ、武将に愛された色でした。色でも志を表していたのです。お子様への想いを込めて、お好きな色をお選びください。

平安・鎌倉期の鎧兜の代表的な色目

  • 赤糸威(おどし)

    赤は活力・すべての生命の源をあらわす太陽の色です。現存する国宝鎧に最も多く使われています。魔除けの色でもあり、神社の鳥居やひな段の毛せんもそうです。

  • 紫糸威

    聖徳太子が冠位十二階の制度を設けたとき、最高の位の象徴として定めた色です。高貴な色で房や菱縫いの赤色との配色の対比が見事です。

  • 萌葱威

    萌葱(もえぎ)とは、植物の芽が萌え出る色。すなわち強い生命力をあらわします。若武者が初陣に好んで使用した色です。

  • 白糸威

    純白は他の色に染まらない。すなわち自分の意志を貫くという「何事にも動じない強靭な意志」を表現します。とても気品のある色で、別名卯の花威とも呼び、実物も多く見られます。

  • 紫裾濃威(むらさきすそご)

    菖蒲の持つ色彩をデザインした色目です。菖蒲は薬草としても優れていることから魔除けの意味。そして尚武に通じることから、多くの武将に愛用された色彩です。

見えない場所も妥協しない兜の裏側

職人の仕事ぶりは裏を見ればわかります。優れた作品は、紐の編み目が美しいのはもちろんのこと、裏を見ても紐のつなぎ目がわからないように処理されています。また兜の鉢の裏にも、紅布に刺し子をほどこし丁寧な仕事がしてあります。「本物」の裏こそ美しのです。

鯉のぼりは、滝を登った鯉が龍になったという中国の故事に由来して、男の子の立身出世を願うものとして、江戸時代に人気となりました。林屋では、庭に飾る雄大なものから、ベランダ用、室内飾りと豊富な種類を取り揃えています。
*名前や家紋をお入れいたします(一週間程度、有料)

五月人形(おぼこ大将・おさな大将)のこだわり

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筆仕事
1.わく目
勇ましさや可愛らしさなどお人形の表情をわかりやすく表現するため、手書きで瞳を書いています。

2.笹目
笹の葉のように、50本以上の薄墨の線を重ねて目を表現しています。角度によって様々な表情に見えます。

3.紅(唇)
濃い紅の外側を薄い紅で縁取ることで、唇の膨らみと奥行きを表現しています。

4.造形(フォルム)
作者の思いを形で表現した、石川潤平工房の木目込五月人形。緻密なデッサンによって生まれる造形は作品によって違うため、お顔や手や身体、兜などのパーツをそれぞれの
人形に合わせて、オリジナルで誂えております。

鎧・兜のこだわり

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オリジナルの金物
力石作品は、すべての金物を作品に合わせてオリジナルで誂えています。

1.鍬形台
獅子の顔に見立てて菊の花を配置した、精緻で美しい力石作品だけの鍬形台です。

2.八幡座
頭の部分、神が宿るとされている八幡座。3、4枚の金物を隙間なく重ね、厳かに飾ります。

3.兜の裏側
鉢裏は布を浮き張りにし、刺子仕上げにしています。美しいだけでなく布地の補強にもなります。見えない場所もこだわります。

4.弦走り韋(つるばしりがわ)
胴には、昔と同様、弓を放つ時に弦が滑りやすいよう鹿皮を張りました。不動明王や獅子や牡丹が染められています。

大正12年創業 人形工房はやしや